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2009年7月 8日 (水)

『世界銀行 経済成長レポート』の翻訳出版

経済学部教授 田村 勝省

 掲題書を本年2月に訳了し4月に出版したので、宣伝活動の一環として紹介させていただきたい。というより、この訳書の内容説明会を6月下旬に世界銀行東京事務所で行った。ここではその一部を紹介したい。とはいえ、内容をすっかり忘れてしまっていて、読み返す時間もなかったので、期待だけを抱かせる冷や汗物の説明になったのを覚えている。

 世界には約200カ国もの国々が存在するが、第2次世界大戦後に持続的な高成長を遂げた国は13カ国と極めて少ない。すなわち、年率7%以上で25年間以上にわたり高成長を維持した(している)国は、ボツワナ、ブラジル、中国、香港、インドネシア、日本。韓国、マレーシア、マルタ、オマーン、シンガポール、台湾、タイの13カ国にとどまる。さらに、持続的な高成長が終った時点で、1人当たり所得が「高所得国」の域に達した国となると、香港、日本、韓国、シンガポール、台湾というアジアの6カ国だけだ。

 このような事例から持続的高成長の条件を探り出して他国に適用すれば、発展途上国の成長や開発と貧困削減に大いに役立つはずだ、というのが本研究・レポートの狙いだ。ここでは「13の成功物語」には5つの共通点があったとの指摘を紹介するにとどめたい。

 第1にグローバル経済をフルに活用した。第2にマクロ経済が安定していた。第3に貯蓄と投資の水準が高かった。第4に市場メカニズムを活用した。第5に有能な指導者と官僚組織が存在した。以上の詳細を含め興味が湧けば、どうか1冊お買い求め下さい。

 最後に、この「ニュース解説」の読者の方々に、訳者から2つの簡単な数式をプレゼントさせていただきたい。いずれも、「継続は力なり」という格言を意味するもで、十分味わっていただければ幸いです。

 ①(1.0710 ≒ 2.0   7%成長を10年間続けるとGDP2倍になる。

 ②(1.1025 ≒ 10.0 : 1人当たり所得でみて中国は日本の10分の1であり、10%成長を続けても日本に追い付くには25年間かかる。