携帯型音楽プレーヤーの「危うさ」
経済学部教授 高瀬 博
欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は、9月28日、米アップル社の「iPod」などの携帯型音楽プレーヤーに音量制限を設けると発表した。各メーカーは、製品の最大音量を80デシベル以下に抑えるよう義務付けられる。2年以内に技術水準を定め、それ以降発売される新製品に適用する。欧州委は、「使用者を聴覚障害から守るため」としている。現状では最大音量は、多くの製品ではロックコンサートに相当する100デシベル以上に設定されており、毎日、1時間、100デシベルで音楽を聴き続けた場合、5年後には完全に聴力を失う危険があるという。【読売新聞】 この記事を読んでから、満員電車の中で、「シャカ♪ シャカ♪」という音楽を漏れ聞くと、不快であるより、心配になる。
筆者は、違う視点で「携帯型音楽プレーヤー」に「危うさ」を感じている。
ある朝、知人が前を歩いていたので「おはようございます」と声をかけたが応答が無い、案の定、音楽に没頭していたのである。この程度なら罪はないが、私たちの周りには、たくさんの「危険因子」が存在する、交通事故はその代表である。今話題の「ハイブリッドカー」は、その静粛性ゆえに、歩行者に危険であるという理由で、わざわざ「エンジン音」を追加しようということである。人間は「五感」全てを発揮して自己の「身の安全」を図らなければならないということである。
マナーの面では、「礼」を失することがある。数年前から受講中に、イヤフォンをつけている学生を見かけるようになった。それは「私は、出席をし、ノートはとるが、あなた(教員)の話は聞いていない」という意思表示に他ならない。
就職超氷河期といわれる中、企業は採用にあたり、学生の「コミュニケーション力」「明るさ」などを求めているといわれるが、それ以前に、最低限のマナーを守れる「人間性」を大前提としている。
