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2010年1月19日 (火)

エコカーと技術開発

経済学部 間普崇 講師

 最近は、エコカーに関する話題に接する機会が増えている。エコカーとは、排気ガスが少なく燃費のよい環境性能に優れた車のことをいうが、エコカーに対する減税や補助金の制度が運用されていることもあり、各自動車メーカーがいかにエコカーに力を注いでいるかはテレビCMを見てもよくわかる。街中でも、トヨタ・プリウスやホンダ・インサイトといったガソリンエンジンと電気モーターを搭載したハイブリッド車をよく見かけるようになった。

 自動車メーカーが環境性能のよいエコカーを生み出すには、新しい技術(例えば、効率のよい電気モーター・システム)が必要とされるが、自動車メーカーに限らず多くの製造業企業は、技術開発を実現するための研究開発活動に取り組んでいる。企業の研究開発活動は、これまでになかった新しい技術を発明することを主な目標としているため、一般的に技術開発を実現するまでに長い期間(数年~十数年)がかかるものである。初代プリウスは、90年代初めから開発がスタートされ、量産体制を確立して販売が開始されたのは1997年であった。

 会計の視点からいうと、企業の研究開発活動への取り組みは「研究開発費」という費用支出の金額によって知ることができる。企業の「研究開発費」は、その企業がどれだけ将来のために投資しているかを表しているといえる。なぜなら、先に述べたように技術開発の実現には長い期間がかかるため、現在の「研究開発費」が企業に収益をもたらすのは数年(あるいは十数年)後になるためである。

「研究開発費」の金額を短期的な視点(その年限りの見方)で見ると、その金額が少ない方が、その金額分だけ利益が大きくなるのでよいと判断できる。ただし、長期的に見た場合には、「研究開発費」という将来への投資を全くおこなわない企業が、近い将来に競争力を失って利益を獲得できなくなるであろうことは容易に想像できよう。「短期の視点」と「長期の視点」という見方の違いを理解し、これらを適切にバランスさせることが重要なことである。

学生の皆さんには、物事を複眼的に見ることと、将来のための今やるべき努力を粘り強く続けていくことを期待しています。