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2010年5月20日 (木)

見せたい番組・見せたくない番組・見てもらいたい番組 ― 田島 祥講師

 5月14日に、日本PTA全国協議会が「子どもとメディアに関する意識調査」の結果を発表しました。小学5年生、中学2年生及びその保護者に対して実施されたこの調査では、「子どもに見せたくない番組」の結果がメディアに取り上げられる項目として有名です。上位に入る番組は毎年ほとんど変化はなく、「内容がばかばかしい」「言葉が乱暴である」といった理由から保護者に敬遠されていることがわかります。

 メディアに取り上げられるのは「子どもに見せたくない番組」が多いですが、この調査では「子どもに見せたい番組」についても質問されています。平成21年度は「世界一受けたい授業(小・中学生)」「Qさま!! (小・中学生)」「ダーウィンが来た!(小学生)」「天才!志村どうぶつ園(小学生)」「週間こどもニュース(小学生)」「プロフェッショナル 仕事流儀(中学生)」「JIN-仁-(中学生)」が上位に挙がっていました。「知識が豊富になる、学習の助けになる」「役に立つ」「面白い」「家族だんらんの時間が持てる」等が、保護者から好まれる理由のようです。特に前者2つは、“番組からの学び”を期待しているのだと考えることができます。

 テレビ番組の影響については、一般に悪影響が懸念されることが多いですが、テレビ視聴がもたらす良い影響についても研究が進められています。これまでに分かっている知見として、①全般的なテレビ視聴は、子どもの知能や学力、創造性や想像力を低めることが示唆されているものの、その影響は番組の内容によって異なること、②暴力的な番組の視聴が多いほど、子どもの学力や創造性が低くなること、③教育番組は子どもの認知能力を高める効果があること、などが挙げられます。これらの研究は子どもを対象にしたものであるため、大学生や成人への影響とは異なる可能性があることや、欧米の研究が中心で、日本の番組を対象とした研究は少ないことなどをふまえておく必要がありますが、教育的な番組は、視聴者に良い影響をもたらす可能性があると考えることができます。

 教育的な番組としては、NHKによる教育番組が真っ先に頭に浮かびますが、最近では民放局によるバラエティ番組でも、知的な内容を豊富に含んだ番組が多くみられます。楽しみながら様々な知識を得ることができる番組が多く提供されていることは、“番組からの学び”という保護者の期待に応える上でも、とても良い流れだといえます。

 最後になりますが、民放連が発表している「青少年に見てもらいたい番組」をご存知でしょうか。毎年春と秋の2回、「青少年の知識や理解力を高め、情操を豊かにする番組を各放送事業者は少なくとも週3時間放送する」という民放連の取り組みに基づいて、各放送局が指定した番組の一覧です。上述の「子どもに見せたくない番組」「子どもに見せたい番組」に比べて、ほとんどメディアには取り上げられていませんが、つい先日2010年春の番組が発表されました(民放連のHP参照)。推奨する理由も添えられていますので、保護者の考える「子どもに見せたい番組」と比べてみるのも面白いかもしれません。