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2018-12-03

高速バスによる貨客混載で、新たな農産物の物流がはじまる! ― 中村 正明 教授

 貨客混載とは、貨物と旅客の輸送、運行を一緒に行う形態のことで、現在、鉄道・路線バス・タクシー・飛行機・フェリー等で行われている。

 2017年9月1日より、国土交通省は過疎地などで、貨物自動車に旅客をのせる事例等の解禁や、従来存在したあいのりバス(路線バス)による貨物輸送の重量制限を撤廃する規制緩和を実施している。この背景には、ドライバーの人手不足の解決と、公共交通機能が低下している過疎地域の公共交通に新たな事業展開の道を開き、路線を維持できるようにすることを大きな目標に掲げている。

 それに伴い、今話題となっているのが、全国農業協同組合中央会、農林中央金庫、三菱地所、大丸有環境共生型まちづくり推進協会の4者が、旅客用高速バスを利用した貨客混載の制度を活用し、生産量が少なく県外へ出荷できていない特色ある農産物を丸の内向けに定期配送する実証実験をスタートさせたことである。

 サービス内容は、貨客混載の制度を使って複数のバス会社と連携し、地方部から東京への旅客用高速バスのトランクスペースに、地方の新鮮な農産物を積み込み、東京都市部で乗客を降車させた後、丸の内エリアに納品するものである。 従来生産量が少なく配送ルートの確保がネックとなって県外へ出荷できていない希少野菜や伝統野菜、朝採れ野菜など、特色ある農産物を、食に対する感度が高い都市生活者のニーズに応えながら、各地の農産物の継続的な消費・購買につなげることを目指している。

 このサービスは、4者が2017年3月から取り組む「大丸有フードイノベーション」の一環として実施するもので、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町地区)に納品される農産物を約4300の事業所、約28万人の就業者を抱える丸の内エリアの飲食店や企業の社員食堂、イベントなど、多様な販路を介して販売されており、都市の消費者のニーズを捉えながら地域の生産者とつながる新たな仕組みづくりに期待したい。