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2009年7月17日 (金)

ワンポイントアドバイス(2)

Q(2)

昔、「聾唖」という表現をよく耳にしましたが、難聴であると何故話すことが困難になるのですか?

「聾」であれば「唖」である。一昔前までは、多くの人々がそのように聞かされ、何の疑問も挟まずに納得していました。しかし、実際には、「聾」と言われるほど重度であるにもかかわらず、かなり上手に話をする方たちのいらっしゃることが知られていました。従って、「聾」であると「唖」になることがある、と表現することのほうが適切であるのかもしれません。

耳から音声が入ってこない状態が長く続くと、話し言葉を習得することが困難となってきます。発声すら困難となるケースもあります。多少声が出るにしても、言葉使いがおかしかったりもします。

 健聴児は、耳から入る音声刺激で、脳の聴き取りに関わる神経細胞が成長し、言語音に対して敏感に反応するようになります。生後半年ほどの間に、聴き取り領域の神経細胞の成長が、弓状束などの神経を経由して、発話領域の神経細胞の成長を促すと言われています。

つまり、聴き取るための脳の神経細胞の成長が不十分であると、話すための脳の神経細胞が適切な刺激を受けられず、その成長が不十分なまま停滞してしまうのです。発話のための神経細胞が活性化されずに、萎縮したままの状態となってしまうのです。結果として、「唖」の症状を呈することになってしまいます。

重度の聴覚障害児の言語教育を考えると、まず乳幼児期に補聴器や人工内耳で脳の聴き取りに関係する神経細胞を刺激することが重要となります。

耳は皮膚の変化したもの、とよく言われます。皮膚は、人間の進化の過程を考えると、耳でもあるのです。皮膚からの音声刺激(音声振動)を上手に利用すると、脳レベルで聴き取りに関係する神経細胞をある程度刺激することが可能となります。触振動感覚を適切に利用すると、音声言語習得の道が開けます。重度の聴覚障害であるからといって、音声言語の習得を諦めるべきではありません。

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