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2009年11月

2009年11月27日 (金)

ワンポイントアドバイス(7)

Q(7)

補聴器の調整と効果について伺います。聴力損失の厳しい高音域での「利得調整」で、会話音域での反応を求めて、過度とも思われるほどに増幅されることがよくありますが、言葉の「聴き取り理解」にあまり役立っているようには感じられません。なにか改善策のようなものはないでしょうか。

A 

感音性の高度難聴(聾)の場合、一般的に、高音域で聴力が低下しています。そのような場合、高音域を増幅すれば良い結果が得られるかというと、必ずしもそうではないようです。

高音域を過度に増幅すると、音声の「有る無し」は補聴器を介して分かるものの、言葉の内容となると、了解度が下がってしまうことがあるようです。時には、「聴き取り理解」が困難であるばかりか、耳に痛みを感じることもあるようです。そのような場合、発音にも影響が及び、「硬起声」とでも呼べるような、搾り出すような、不自然な、硬い声になったりもします。高音域での会話音域内の反応を求める調整は、必ずしも言葉の聴き取り理解にプラスになるとは限りません。

もし、「聴き取り理解」に困難を覚えるようであれば、高音域の調整をやや控えめにするなどの処置をとったほうが、かえって補聴効果が増すようです。補聴器の性能は技術的には進歩してきていますが、そもそも補聴器は検査音(純音)を聴くためのものではなく、複合音である言葉を理解するための補助具であることを忘れてはいけません。環境音の処理の問題はありますが、低音域(1,000Hz以下)を優先して、リズムなどを頼りに、言葉の意味内容を捉えることを目指すほうが、補聴器を効果的に活用することにつながる場合もあるようです。

2009年11月11日 (水)

ワンポイントアドバイス(6)

Q(6)

聴き取り練習は0~3歳ほどの乳幼児でも可能なのでしょうか?

A 乳幼児でも聴き取り練習は可能です。

「補聴器を付けてからでなければ練習はできない」、「ちゃんと椅子に座れるようでないと練習にならない」、「落ち着いた傾聴姿勢が身についてからでなければ練習に入れない」といったことがよく言われます。しかし、傾聴姿勢等の条件が充たされてから始めというのでは、手遅れというほどではないにしても、言語教育の開始時期として理想的とはいえません。

乳幼児の聴き取り練習は生まれてから直ちに開始されなければなりません。実際、両親は聴き取り練習のつもりではないにしても、赤ちゃんは、両親の腕に抱かれた時から聴き取り練習を開始しています。赤ちゃんは話しかけられる言葉をママやパパの腕の中で身体を通じて感じ取っています。赤ちゃんの身体の皮膚が耳の役目をしているからです。

身体は低い音域の音声(およそ1,000Hz以下)を感じることができると言われています。音声の低周波数領域には言葉のリズムを伝えるエネルギーが含まれています。言葉のリズムの学習は言語を習得する上で欠かせません。そのような重要なリズムを、赤ちゃんは、身体で感じ取ることができるのです。

聴き取り練習は、ごく自然な育児のなかで開始されます。赤ちゃんを抱いて、健聴児に対する以上に話しかけることが、聴き取り練習の第一歩となります。