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2009年12月

2009年12月28日 (月)

ワンポイントアドバイス(9)

Q(9)

語彙を増やすための、また正しい言葉使いを身に付けるための学習がなかなか進まず、苦慮しています。なにか効果的な対策はありますか?

A

高度難聴児が単語を覚え、語彙を広げることにはかなりの困難がともないます。

言葉は耳から聴いて覚えるものです。言語力の基は聴く力にあります。その聴く力が十分でないと、視覚的な学習に頼ることになります。しかし、視覚的な教育だけでは十分に言語力が身に付きません。そのことを難聴児の言語教育に携わる多くの指導員たちが痛感しています。

また、言語の学習には、「言語を用いて、言語用法を身に付ける」という、手段と目的が重なり合っているという特殊な事情があります。健聴児であれば、聞こえた言葉を模倣して用いることはさほど難しくありません。健聴児は耳を使って外部の音声を聴き、そして頭の中で幾度も声に出し、覚えます。脳内で言葉を声(脳内音声)に出して、それを聴いて学習しているのです。

高度難聴児の場合も、声帯を使っての発声(不明瞭であるにしても)が、可能であるならば、脳内で繰り返し声に出し、単語や言い回しを覚え、記憶することは可能です。

難聴児が脳内の自声をどのように聴いているかは十分に研究されていませんが、言語力を高めるには、言葉を脳内で音にする、その音を繰り返し想起する、さらにその音を脳で聴くという「技術」が求められます。単語や言葉使いの学習を効果的なものにするには、「頭の中で声を出し、その声を聴く」練習を合わせて行う必要があります。

2009年12月10日 (木)

ワンポイントアドバイス(8)

Q(8)

高度難聴(聾)の場合、声が重く硬いことが多いように思われますが、自然な、明るい、軟らかい声を身に付けるためのポイントを教えてください?

A

 高度難聴(聾)児独特とも言えるような重い、硬い声は、声帯や口腔内の発音器官の不適切な筋緊張が原因と考えられます。幼い時に誤った発声の仕方を身に付けてしまうと、大きくなってから矯正するのは極めて難しいようです。

 笑い声などは自然であっても、言葉を発音しようとすると発声が不自然になってしまうケースもよく見かけます。器質的に明るい軟らかい声が出ないのではないのです。誤った筋緊張度の高い発声法が習慣づいてしまい、不自然な発声法から抜け出せなくなっているのです。

 発音器官は身体の筋緊張と連動しています。そのため、発音器官の筋肉のみならず、「身体の筋肉を適度に弛緩させて発声する技術」を身に付ける必要があります。緊張度(緊張・弛緩の度合い)に関しては、健聴者の発声時と同じ筋緊張度を目指すことが求められます。

 筋緊張の調整には、自らの声を自らの身体で感じることが求められます。手のひらなどに声を当てながら声を出す練習を重ねると、不自然な硬起声は少しずつ消えていきます。声帯周辺に手のひらを当てるのも良いのですが、子どもによっては、意識過剰になって、かえって声が硬くなることもあるので気をつけなければなりません。音声振動を、振動子を介して、指先など皮膚感覚の敏感な部位で感じ取りながら練習する方法もあります。